「アダルトチルドレン」の子ども時代

August 25, 2021

前回はアダルトチルドレンの定義とその特徴についてお伝えしました。今回は、「機能不全家族」について、そしてアダルトチルドレンが子どものときに演じていた「役割」についてお伝えします。

 

機能不全家族とは、(1) 家族に共有されている秘密や強固なルールが多い、(2) 家族に他人が入り込むことに抵抗する、(2) 個人間の境界があいまいで、家族成員にプライバシーがない、(3) 家族への忠誠が強く、家族から去ることが許されない、などの特徴を持っています。このような家族のなかで、子どもたちは、不安や恐怖、疑問を言葉にして発することが許されず、見たものをみなかったことにしたり、感じたことを感じなかったことにしなければなりません。子どもたちは窒息感を抱きながらも、家族から離れられず、家族の現状を躍起になって守ろうとします。この努力が重ねられるうちに、子どもたちは機能不全家族を維持し続けるための一定の役割にはまり込み、以下のような役割を演じ続けることになります。

 

(1) ヒーロー (英雄): 勉強やスポーツなど、子どもが模範的で世間に評価されると、その子のさらなる活躍に熱中して、両親の関係が一時的によくなったりします。

(2) スケープゴート (犠牲の山羊): 問題児や不良にあたります。他の家族が「この子さえいなければ全て丸く収まるのではないか」と思うことで、家族の崩壊を防いでいるような存在です。

(3) プラケーター (慰め役の子): 一家の中でいつも暗い顔をして、ため息をついている親、多くの場合は母親を慰める子供のことです。夫の飲酒や暴力で頭がいっぱいになっている母親に「どうしたの?」と優しく尋ねます。

 

これらの子どもたちに共通しているのは、自分の都合ではなく、家のなかの雰囲気、母親の顔色、父親の機嫌などを優先して考えることです。そのため、自分の意志を持つ事ができず、他人の欲望や価値観を取り入れて生きるようになってしまいます。

 

どの家族も、ある程度は機能不全家族的な側面を持ちます。そして誰もが、家族のなかで何らかの役割を演じていた経験があり、それが現在の自分の一部をかたちづくっています。アダルトチルドレンでなくとも、ときに自分の境遇を恨むこともあると思います。しかし、立場や視点を変えて考えてみると、自分が家庭を持ったときに、アダルトチルドレンを再生産しないために、いま何ができるかを考えることが大切といえるでしょう。

 

参考文献 斉藤学 「アダルトチルドレンと家族」 学陽書房.

文:国際医療福祉大学 赤坂心理学科 HIKARI Lab監修 小堀修

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