コロナと病気不安(4)-身体が発する雑音(ノイズ)

June 24, 2020

前回は、病気不安になりやすい特徴を持っていた人たちが、健康に関する大きなできごと...例えばコロナのようなパンデミック、原子力発電のメルトダウン、医学研修、近親者の死...を体験することで、病気に対する不安がとても高くなるとお伝えしました。今回から、とても高くなった不安が「どのように持続」するのか、どうして不安が小さくなっていかないのか、について解説して行きます。

 

とても高くなった不安が持続するのは、このようなメカニズムだと考えられています:

1) 身体に生じる「雑音」に耳を済ませて

2) 「もしかしたら重篤な病気ではないか」と心配し

3) 診察、検査、自己点検を繰り返したり、 健康を損ないかねない活動を避けてしまう

 

今回は1) の体に生じる雑音について詳しく説明します。まず、過去1週間を振り返って、いくつの体内の変化を体験したか、数えてみてください。

 

1.       動悸

2.       腹痛

3.       喉の痛み

4.       喉がつまる感じ

5.       急な発汗

6.       関節痛

7.       身体の振るえや膝の振るえ

8.       頭痛

9.       せき

10.     微熱

 

多くの人が、2-3つの体験があったのではないでしょうか。次の質問です。その結果、医療機関を受診したり、症状についてウェブで調べたりしたでしょうか。これもまた、多くの人が、何もしなかったと思います。

 

このような体内の変化は、ノーマルなものであり、気づかないこともありますし、気づいたとしても慌てふためくこともまれです。このため、症状や異変ではなく、体内の変化あるいは身体の雑音と表現しています。

 

一方で、このような体内の変化を「重篤な病気ではないか」と心配して、ウェブで調べたり、医療機関を繰り返し受診すると、病気不安に近づいていきます。

 

病気不安を持つ人も、持たない人も、なぜこのような雑音が体内から聞こえてくるのか、その理由を詳しく知らないかもしれません。次回、体内の変化が生じる仕組みについて整理してみます。

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文:国際医療福祉大学 赤坂心理学科 HIKARI Lab監修 小堀修

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