診察、検査、自己点検など、さまざまに用心をすることは、非常事態でコロナを予防するうえでは効果があるかもしれません。いっぽうで、コロナがなくなり常時に戻ったあと、このような用心を続けることで、どのような影響が出るでしょうか。
• 医師の診察を繰り返し受けると、医師の言い方や表情が少し変わると「この前と言われたことが違う。何か違う病気なのか」と疑ってしまう
• 家庭の医学を読む、インターネットで検索すると、さまざまな症状や病気のことを知ることで「この病気かもしれない。この病気になったらどうしよう」と不安になる
• 皮膚のある箇所をつつく、ひっかくと、実際に痛くなる
• エクササイズを避ける、症状を感じると休むと、体力が下がり、実際に疲れやすくなってしまう
• 厳格な食生活に従うことで、食生活が少しでも変わると、胃腸の不快感が生じる
• 医学的検査や記憶力テストを繰り返すと、繰り返すことでエラーが出やすくなる、つまり、問題がないけれど統計学的に問題があるという結果が出てしまう
もともと心配に対処するため、よかれと思って、このような用心をしています。ところが、用心が過度になると、心配が下がるどころか、心配を強めたり、維持したりします。
このようにして、病気に対する不安が持続します。ここまでをまとめると:
1) 身体に生じる「雑音」に耳を済ませて
2) 「もしかしたら重篤な病気ではないか」と心配し
3) 診察、検査、自己点検を繰り返したり、 健康を損ないかねない活動を避けてしまう
次回は、検査を繰り返すとエラーが出やすくなる、ことを取り上げ、詳しく解説します。
文:国際医療福祉大学 赤坂心理学科 HIKARI Lab監修 小堀修