HIKARI Labを始めとして、オンラインでカウンセリングを提供するサービスが増えています。ロックダウンや外出自粛の体験を踏まえ、このようなサービスはますます増えることが見込まれます。オンラインで個人的な話をするとき、どのようなことに気をつければいいか、カウンセリングをする側(セラピスト)と受ける側(クライアント)、双方の視点から提案していきます。
オンライン、ウェブ、そんな枕詞があるだけで、便利な感じがします。もちろん、人と人との関係ですから、オンラインに特有の不便さもあります。今回は、オンラインでカウンセリングを受けると、何がどのように便利なのかをまとめてみます。
時間と場所という、2つの軸で考えてみましょう。
オンラインでカウンセリングを予約するときに、ひとつの制約がなくなります。それは、移動時間がなくなるということで、今までクリニックや相談室まで通っていた往復時間がなくなるため、予約する時間の選択肢が増えます。
カウンセリングを提供する側が、自宅から勤務する場合、同じような制約がなくなります。特に、帰宅する時間がなくなるため、深夜の時間帯で予約できる設定をすることで、カウンセリングを受ける側の選択肢をさらに広げます。
場所についてはどうでしょうか。自宅の近くにカウンセリングを受けるところがない、カウンセラーは近くにいるけれど、専門が異なる、といった場合、オンラインではその制約がなくなります。カウンセラーが海外に住んでいるかもしれませんし、カウンセリングを受ける人が海外にいても、同じサービスを受けることができます。
特に自宅で勤務する場合、場所代が必要ない分、価格を低く設定することができます。似たような例として、オンラインの英会話があり、こちらも英会話の料金をかなり低価格に抑えています。
また、身体的な障害で、あるいは、介護をしているため、家から出ることが難しい場合でも、オンラインならカウンセリングを受けることができます。家から出て人に会いたくない、あるいは、クリニックに入るところを見られたくない、そういった心配が強い人もカウセリングが利用できます。
最後に、カウンセラーにとっての利点として、「隙間時間」を利用することができます。出産直後のカウンセラー、日中は大学で教えている教員、カウンセリングが業務に含まれていない心理師にも、カウンセリングを提供する機会が生まれます。
このような利点がある一方で、オンラインに特有の難しさとは何か、それをどうやって克服できるか、次回以降、考えて行きます。
文:国際医療福祉大学 赤坂心理学科 HIKARI Lab監修 小堀修