ウェブでカウンセリングを使いこなす (2): オンでもオフでも確かめよう

May 26, 2021

HIKARI Labを始めとして、オンラインでカウンセリングを提供するサービスが増えています。ロックダウンや外出自粛の体験を踏まえ、このようなサービスはますます増えることが見込まれます。オンラインでセンシティブな話をするとき、どのようなことに気をつければいいか、カウンセリングをする側(セラピスト)と受ける側(クライアント)、双方の視点から提案していきます。

 

今回はオンラインでもオフライン(対面)でも、カウンセリングを受けるときに確認しておきたいことをまとめてみます。

 

料金

 

誤解を招く表現がないか気をつけましょう。最初の何回かは安くて、それ以降は値段が上がるといった、携帯電話のような料金体系があるかもしれません。

 

カウンセリングの場合、「相場」が分かりにくいという問題もあります。カウンセリング1回あたりの時間でも変わりますし、カウンセラーの実力(これ自体が分かりにくいのですが)や経験年数によっても変わってきます。モノを買うときとは異なり、同じ時間でも安いほうが得、というわけではないので気をつけましょう。

 

キャンセルのしかた

 

ホテルでは、前日になるとキャンセル料が発生したり、当日のキャンセルは宿泊料を100%支払います。医療機関を受診する場合と異なり、カウンセリングも予約の数日前からキャンセル料が発生することがあります。キャンセルの手続きについて、いつまでに、どこに連絡するのか、確認しておきましょう。

 

セラピストの資格

 

セラピストが持っている資格は、どんなものがあるでしょうか。民間資格の臨床心理士、国家資格の公認心理師が代表的です。他の専門職がセラピストになる場合もあります。例えば、医師、看護師、薬剤師、精神保健福祉士、作業療法士、言語聴覚士などの国家資格を持つ人がセラピストであることもあります。ここに出ていない資格や、海外で取得した資格の場合、どのような資格なのか、どのような訓練をどこで何年間受けたのか、一度調べて見るといいでしょう。

 

録音について

 

オンラインでカウンセリングを受ける場合、簡単に録画、録音をすることができます。さらに、相手に気づかれずに、録画、録音できてしまいます。録音をしたい場合は、セラピストに申し出て、共有する範囲 (家族や主治医など) についても取り決めておきましょう。

 

個人情報

 

その他、個人情報がどのように保護されるのか、プライバシーポリシーに目を通しておくといいでしょう。個人情報については、オンラインのカウンセリングに特有の問題がありますので、次回以降、丁寧にみていきます。

 

 

ウェブでカウンセリングを使いこなす (3): あなたの情報を正確に伝える

 

Hikarilabを始めとして、オンラインでカウンセリングを提供するサービスが増えています。ロックダウンや外出自粛の体験を踏まえ、このようなサービスはますます増えることが見込まれます。

 

前回は、オンラインでもオフラインでも、カウンセリングを始める前に確かめておくことについて解説しました。今回は、カウンセリングを受けるときに、正確に伝えておきたい情報について解説してします。

 

オンラインでの活動の特徴に、匿名性があります。自分の名前や属性を開示することなく、あるいは、ニックネーム等などで、意見を表明したり、質問したり、「友人」を作ることができます。少し話はそれますが、自分の書き込みやリツイート(拡散)などが名誉毀損になる場合、IPアドレスなどから個人が特定されます。このような場合は匿名性が担保されないことに気をつけましょう。

 

それでは、カウンセリングはニックネームで受けることができるのでしょうか。その前にセラピストはニックネームを使っているか、確かめてみてください。基本的にセラピストは実名を公表しています。そうしないと、本当に資格を持っているのか、私たちが確認できないからです。

 

カウンセリングを受ける側はどうでしょうか。ニックネーム/偽名でカウンセリングを受けることは可能で、セラピストが本名かどうかすぐに確かめることはできません。

 

ただ、実名(フルネーム)、メール以外での連絡手段、住所を伝えておくことをお勧めします。

 

電話番号など、メール以外の連絡手段が必要な理由は、想像しやすいと思います。ZoomやSkypeなど、オンラインでカウンセリングを受けているときに、通信状況が悪くなり接続が切れてしまったときにどうするか、すぐに伝え合うことができるためです。

 

同時に、カウンセリングをしている時間外で、メール、電話、Twitterなどで相談してよいか、何回まで/どのくらいの時間だったら可能か、問い合わせておきましょう。

 

住所についてはどうでしょうか。私たちがどんなところに住んでいるのか、近くに何があるのかは、セラピストにとって貴重な情報となります。その地域に特有の言葉の使い方、人間関係、美味しいものなども、セラピストが私たちを理解することを助けます。

また、こんな場所に散歩に行ったり、ショッピングに行ってみるといいのではないかと、話し合うことがあるかもしれません。また、生活圏にどのような医療機関、福祉期間、役所といった「資源」があるのか、セラピストと私たちとで共通理解を持つことができます。

 

次回は、実名を伝えておくことが、どうして大切なのか、その重要性について、また、オンラインのカウンセリングに特有のトラブルについてみていきます。

 

文:国際医療福祉大学 赤坂心理学科 HIKARI Lab監修 小堀修

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