ウェブでカウンセリングを使いこなす (4): 公認心理師の連携

August 1, 2021

HIKARI Labを始めとして、オンラインでカウンセリングを提供するサービスが増えています。ロックダウンや外出自粛の体験を踏まえ、このようなサービスはますます増えることが見込まれます。

 

前回は、カウンセリングを受けるときに、メール以外の連絡手段や住所を伝えておきたい情報について解説してします。今回は、実名を伝えておくことが、どうして大切なのか、その重要性について、また、オンラインのカウンセリングに特有のトラブルについてみていきます。

 

オンラインでは「ハンドルネーム」や「アカウント名」で活動することが多いと思います。カウンセリングでも「自分のことをこう呼んで欲しい」とセラピストに頼むことはできます。一方で、実名を正確に伝えておくことの重要性について解説していきます。

 

例えば、私たちがカウンセリング中にとても気分が悪くなり、意識を失うような状況を想像してください。セラピストはウェブカメラを通じてその様子を見て、大きな声で呼びかけたり、電話をかけたりします。

 

それでも意識が戻らないときは、救急車を呼んだり、警察を呼んだりする必要があります。こんなとき、実名と住所が伝えてあれば、セラピストは救急隊に正確な情報を伝えることができます。

 

最後に、私たちのメンタルヘルスに関して、主治医がいる場合は、連絡先を伝える必要があります。特にセラピストが公認心理師という資格を持っている場合、

 

「公認心理師は、その業務を行うに当たっては、その担当する者に対し、保健医療、福祉、教育等が密接な連携の下で総合的かつ適切に提供されるよう、これらを提供する者その他の関係者等との連携を保たなければならない。公認心理師は、その業務を行うに当たって心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない(法第 42 条第2項)」

 

と公認心理師法において定められているからです。つまり、私たちの心の問題に関して、医師の治療を受けている場合、公認心理師と医師は、手紙や電話で連絡を取り合う義務があります。

 

セラピストが公認心理師でなかったとしても、主治医がいる場合は、できるかぎりその情報を伝えましょう。これまでどんな治療を受けてきたか、セラピストにとっては貴重な情報となります。

 

前回から2回にわたって、実名、住所、連絡手段を伝えておくことが大切だという話をしました。次回は、カウンセリングが始まったら、どんなことをやっておくといいか、考えていきます。

文:国際医療福祉大学 赤坂心理学科 HIKARI Lab監修 小堀修

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